健康モーニング79号
12/24

12 KKCヘルスネットワーク No.79(2012. 1) 健康診断結果から見た労働者の睡眠が健康に与える影響について医療統括本部 保健事業グループ 阿部 志津香【背景】 近年睡眠習慣と疾患、例えばうつや高血圧、糖尿病などとの関連ついて、報告が多く出てきています。しかしながら、これらの研究の多くが住民健診を対象としています。そこで、我々は職域においてはどのような特徴があるのかについて今回調査を試みました。【調査対象】 平成22年4月から平成23年3月に近畿健康管理センターで健康診断を受けた、590,418件(男性 398,736名、女性 191,682名) 【調査方法】 上記調査対象において睡眠に関する問診項目と、健診データ及び問診項目との関連を解析しました。 睡眠時間との関連を解析標準的な問診項目に準ずる6時間未満6−7時間7時間以上【調査結果と考察】1) 睡眠時間の性別・年齢別傾睡眠時間が短い年齢層は男女ともに働き世代や子育て世代と言える40才代が多い傾向がみられました。2) 睡眠時間と問診項目との関連 食習慣に関する問診項目では、睡眠時間の短い群が男女ともに“夕食後に間食をとることがある”、“朝食を抜くことがある”、“就寝2時間以内の食事”といった項目を回答した割合が高くなりました。また、特に男性では、睡眠時間の短い群で、“早食い”の傾向がうかがえました。 運動習慣に関する問診項目では、男性では睡眠時間が短い方が“運動をしていない”と回答する率がやや高い傾向がありましたが、女性では差があまりみられませんでした。3) 睡眠時間と健康診断検査結果の関連 睡眠時間が短い群において、男性・女性ともにBMIと腹囲がやや高い傾向がみられました。第51回近畿産業衛生学会が、11月5日(土)奈良県内で開催されました。この学会で弊センター職員が3題の発表を行い、今回はそのうち2題を掲載いたします。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です