健康モーニング79号
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16 KKCヘルスネットワーク No.79(2012. 1) 愛をこめてKKCより No.20愛をこめて食事をとることで、無駄のない効率的なエネルギー補給ができ健康増進につながります。自分自身の食事の現状を知り賢く食べ健康増進に努めたいものです。 さて「自分の食事はどの点に注意していますか」と質問されたとき、なんと答えますか。「栄養素のバランスに注意して食べている」「脂肪を取りすぎないようにしている」「塩分を控えめにしている」など、その答えはいろいろあると思いますが、実際に食事の調査を行ってみると、本人の思いとは裏腹な現実が多くみられます。これは実際には自分の食事の内容や傾向を本当に理解している人は少なく、自分で食事ををコントロールするための「栄養バランス」とか「自分にとっての食事の適量」「脂肪の減らし方」などの基準があくまでも自分の主観によるものだからです。これらをクリアするのは、なかなか難しいのですが、1、2週間、毎日何時に、何を、どのくらい食べたり飲んだりしたかをできるだけ詳しく記録を取ることで、自分の食事の内容と傾向をかなり正確に把握することができます。 食事に問題があるとわかった場合、食事内容によるものなのか、食習慣なのか、食事摂取量の問題なのか、あるいはそのうちのいくつかの原因が合わさっているものなのかが明らかになり、より具体的な対策を講じることができるようになります。 食事内容に問題がある場合としては、脂肪の取りすぎ、塩分の取りすぎ、甘いものの取りすぎ、酒の飲み過ぎ、野菜不足、食物繊維不足、ミネラル不足などがあります。食習慣の場合は、偏食、食べ過ぎ、ながら食い、間食、早食いなどがあります。食欲のコントロールの問題では、例えば、焼き肉とかバーベキューだとつい食べ過ぎる、甘いものや寿司は別腹である、ストレスによる過食・拒食などがあります。 これらの問題点は明らかになったからといって、すぐ改善できるほど簡単なことではありません。これらの問題は本人だけでなく、例えばその家の味付けの傾向とか地域食文化、生活環境などが複雑に関係しているからです。 これらのことを念頭に置いて地道に食生活習慣を見直していくことにより、生活習慣病をはじめとした様々な疾病予防につとめたいものです。 健康管理は、病気・障害を予防し、健康を維持していくことです。毎日の生活習慣のなかで食事・運動・休養が、健康維持に大きな影響を及ぼしていることは周知のとおりです。 さて、最近よく医食同源という言葉を耳にすると思います。広辞苑(第六版)で調べてみると「病気を治すのも食事をするのも、生命を養い健康を保つためで、その本質は同じだということ」と記載されています。最近の一部の辞典などでは医食同源は古くから中国で使われた言葉などと書いたものもありますが、実は、1972年に中国に伝わる薬食同源を紹介するときに医師 新居裕久氏が薬食を医食に変え医食同源を造語したのが事実のようです。最近ではこの言葉「医食同源」は中国にも逆輸入されております。 冒頭にもあるように、医食同源は医も食も健康を保つ上では同じように大切であり、毎日の食事の重要性を示すものです。テレビや雑誌などでグルメ特集などおいしい料理やお店が紹介されていますように、日本人の食生活は以前に比べてどんどん豊かになってきました。忙しい毎日にマッチしたファースト・フードやインスタント食品、機能性食品がスーパーなどに行くと所狭しと並んでいます。また24時間営業のレストランやコンビニエンス・ストアが増え、いつでも、どこでも、何でも食べられる社会になり、また生活サイクルの多様化で、朝、昼、夜と決まった時間に3度の食事をとる食習慣の根本が崩れてきています。 その結果、バランスのとれた栄養補給、タイムリーな栄養補給がますます難しくなり、これが現代人の健康を損なうことにつながっています。「食べ過ぎず、一日3回規則正しく、バランスよく食事をとること」が健康保持に重要です。しかし、いそがしい毎日の中で、この理想的な食習慣を続けていくことは、たやすいことではありません。食事の度に栄養素や、カロリーを考えて食べることは現実的にはまず不可能です。 しかし、脂肪が多い食事が続いたらあっさりした食事を何日か続けたり、週のうち何日かは野菜をたくさん食べる日を設けるなど、自分なりに工夫することで、一週間単位で、栄養素の量や偏りを修正しバランスを取ることができます。また生活サイクルにあわせた時間に、内容を考えた「食と健康」KKCウエルネス津健診クリニック所長小 西 泰たい 元げん

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