健康モーニング No83
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Ⅹ線撮影装置デジタル化の遷移とその恩恵医療統括本部 医療技術部 なぜデジタル化なのか? 写真用のカメラをはじめとしたあらゆる映像機器は、最近ではそのほとんどにデジタル技術が採用されています。一見X線装置も同じようにデジタル装置に置き換わっているかのように見えますが、実は大きな変革がありました。 その変革とは「2005年施行の薬事法改正(以下、法改正)」が大きく影響しています。薬事法と聞くと医薬品を想定しますが、医療機器に係る安全対策が含まれています。これは1990年代から2000年前半にかけて、医療機器に起因する死亡事故が多発したことから、この事態を重く見た厚生労働省は、改正に踏み込んでいます。主な法改正内容はリスクに応じたクラス分類制度の導入と、第三者認証制度の導入、特性に応じた安全対策の充実等が図られました。 この法改正により、X線撮影装置の一部であるミラーカメラ本体及び付属品の全面的な設計変更が必要になり、2007年3月をもって全メーカーの製造が打ち切られることになりました。我々も含めた多くの健診機関では、バスや施設にこのカメラを採用しており、部品供給限度を上限に、少しずつ装置を更新していくことになりました。(平成24年3月現在のレントゲン車デジタル普及率:78%) コスト面の課題 健診機関の場合、健康診断の法定項目に胸部X線(平成22年4月定期健康診断における胸部エックス線検査等の対象者の見直しに関する改正で40歳以上)が含まれています。 つまり健診を受診される大半は胸部X線があり、それ相当の保管容量が必要になります。・胸部100万件×5年保管×11MB 55TB・胃部20万件×5年保管×20MB 20TB・他のモダリティ(医用画像機能) 25TB容量計算 かつ、拠点の多いKKCでは、自社内にサーバーを設置すると、お客様に適正な価格で健診サービスの提供ができなくなってしまう事態になりかねません。経費はアナログの方が安い情報量や診断価値はデジタルが高い 外部保管が可能に! 従来、診療録及び診療諸記録は院内以外の場所に保管することは許されていませんでしたが「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第4.1版」の 今回より3回に分けて、KKCが取り組んだ画像診断技術について報告します。第1回 健診機関に課せられた課題第2回 比較読影の重要性と最新技術(経時差分画像)第3回 専門医による遠隔画像診断12 KKCヘルスネットワーク No.83(2013. 6) 

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