健康モーニング No83
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名湯といわれている温泉が単純温泉に含まれていることが多いのですが、これは成分が少ないため刺激が少ないことが万人に受け入れられやすかったのではないかと考えられます。ただし、単純温泉には例外もあり、指定成分以外が高濃度である場合も単純温泉ということとなります。 次に重要なのは次に重要なのは温泉のある環境です。温泉療養では、温泉そのものに加えて、周辺の環境が大切です。環境因子としては気温、湿度、風、空気、陽光、紫外線、森林、土地の高度(気圧)、海浜等、様々な要素が影響しあっています。温泉療養はこのような自然気候を含む環境の影響が加味されるものであり、より高い療養効果を求めるのであれば、温泉の選択は環境も含めて考慮する必要があります。気候は身体に対して刺激となることから、保護性気候と刺激性気候に大きく分けられます。保護性気候とは、気温、湿度等の変化が穏やかで、日内変動が少なく、気圧変動も少ない環境で、空気汚染がなく、植生が豊かであること等で、身体にやさしく作用することとなる環境です。病中、病後、高齢者等、健康への不安がある方にも適応できる環境と言えます。対して刺激性気候とは、保護性気候とは反対で、気温、湿度等の変化が大きく、強風が吹き、紫外線が強い等のような環境で、身体にとっては刺激が強い環境です。体力がある場合は、身体の鍛錬への応用ができます。温泉を選ぶ際、このような気候条件を考えて選択することは、療養効果の面のみでなく、安全性の面からも推奨されるべきです。 皆さんも皆さんも、ご自分の体力、嗜好に応じた温泉を探して滞在されてはいかがでしょうか。体力回復、ストレス解消、慢性病の療養など、さまざまな目的にかなうのが温泉療養の良いところです。長期滞在とまではいかなくても、短期滞在でも効果を得ることはでき、なにより非日常の環境に身体を置くようにすることが、温泉活用の本質なのです。表1種 類概  要二酸化炭素泉1キログラム中に遊離炭酸を1グラム以上を含む温泉や鉱泉のこと。旧泉質名は単純炭酸泉であり、今日でも「炭酸泉」という名称が多用されている。また、俗称として「ラムネの湯」なども一部で使用されている。炭酸水素塩泉炭酸水素塩(HCO3)を含む化合物を主成分としていることからこの名称が付いている。アルカリ性を示す温泉が多く“美人の湯”と称されるものもある(これは効能ではないが、一種の美肌効果が期待できる)。塩化物泉主にNaCl、すなわち食塩の形で温泉水中に存在することがおおい。食塩系の塩化物泉は汗の蒸発を防ぐ効果があるので、湯冷めしにくいという特徴を持つ。また殺菌効果があるので外傷治癒にも利用される。硫酸塩泉アルカリ金属・アルカリ土類金属の硫酸塩を主成分としていることからこの名称が付いている。俗に薬効が高いと言われる。含鉄泉湧出後の酸化により、温泉が黄色、赤色を示すのが特徴。赤湯と呼ばれる温泉は鉄泉であることが大半である。また、炭酸を含有する場合もある。硫黄泉卵が腐ったような臭い、また湧出後湯船にて湯の花により白濁する温泉も多いのが特徴。掲示用泉質名では硫黄泉と一括りにされるが、硫化水素の含有の有無により、全く含まない硫黄泉と、これを含む硫化水素泉に大別される。酸性泉多量の水素イオンを、多くの場合遊離した硫酸・塩酸などの形で含有する温泉である。酸性であるため殺菌効果、肌を剥がすことによる新陳代謝促進などの特徴がある。放射能泉微量のラジウム、ラドンおよびアスタチンから水銀までの原子核崩壊によって生じる放射性同位体が含まれるのが特徴。単純温泉温泉水1kg中の溶存物質の含有量が1g未満の温泉が該当する。含有成分量が少ないことにより、刺激が少なく肌にやさしい。概ね無色透明で無味無臭。Wikipediaより抜粋5 KKCヘルスネットワーク No.83(2013. 6) 

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