健康モーニング No83
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 さて、本年4月から始まった「健康日本21(第二次)」に合わせ、このほど「健康づくりのための身体活動基準2013」が策定されました。身体活動は運動と、労働・家事・通勤・通学など、日常生活でのすべての活動を含みます。この基準にはちゃんとした科学的裏付けがあって、子供からお年寄りまですべての年齢層に当てはまります。健診で血糖・血圧・脂質の値がすべて正常範囲内の人には、表1の身体活動基準が当てはまります。表1 メッツとは何かというと、Metabolic equivalentsの略語で、活動・運動時の消費カロリーが、安静状態での消費カロリーの何倍に当たるかを示す値です。3メッツ以上の強度の身体活動とは、歩行またはそれと同じレベル以上の身体活動で、運動なら、息が弾み汗をかく程度の運動です。1万歩を普通の速さで歩けば、メッツ×時間は4~5になるでしょう。3メッツ以上の主な運動や生活活動は表2の通りです。表2 歩いたりジョギングする際は、意識して呼吸を整えることも、カロリー消費や心肺機能を高めるのに役立ちます。歩調に合わせて2回続けて「スー、スー」と鼻から息を吸い、2回続けて口から吐くのがよいようですが、3回づつの6拍子でも構いません。3回吸って4回吐くという7拍子で呼吸すると頭の中まですっきりし、良いアイデアも浮かんでくるという人もいます。 なお、健康な人が運動する場合、どの程度の強さまでなら安全で効果的か、という目安になるのが、1分間の脈拍数がおよそ(220-年齢)×0.8になるような運動です。40歳なら144、60歳なら128辺りです。肥満解消のためなら、5分間一定のペースで歩いた後、15秒間の脈拍数がおよそ「32-年齢÷8」になるような、ニコニコペースが適当だといわれます。片方の手の人差し指、中指、薬指を揃えて、もう一方の手首の親指側で拍動する動脈に触れ、15秒間の脈拍数を数えてください。 健診を受けて、血糖・血圧・脂質のどれかの値が正常範囲を超えている場合でも、医師に運動を制限されるほどの病気がなければ、体調が悪くない限り、積極的に生活活動や運動を行うことが勧められます。健診の結果、医師受診が必要と判断されたり、病気で治療中なら、どの程度の生活活動や運動が適当なのか、かかりつけの医師にご相談ください。次号第2楽章へつづく身体活動(生活活動・運動)運動18~64歳3メッツ以上で毎日1時間以上(週にメッツ×時間が23以上)3メッツ以上の運動を週に1時間以上(メッツ×時間が4以上)65歳以上強度を問わず毎日40分以上(週にメッツ×時間が10以上)本人任せ。してもしなくてもよい。おおよそのメッツ運 動 ・ 生 活 活 動3普通の歩き、カートを使うゴルフ、ボーリング、バレーボール4早歩き(平地で1分90~100m程度)、自転車(時速15km程度)、卓球5かなりの早歩き(平地で1分110m程度)、野球、ドッジボール6軽いジョギング、ボディビル、ジャズダンス、バスケットボール7家財道具の移動、ジョギング、サッカー、テニス、背泳ぎ8階段上がり、ランニング(1分130~140m程度)、クロール泳ぎ9 KKCヘルスネットワーク No.83(2013. 6) 

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