健康モーニング 84
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シリーズ② 秋の行楽シーズンがやってまいりました。温泉へ行って、入浴し、健康になりたいと思っておられる方も多いことでしょう。温泉入浴は様々な作用を身体に及ぼします。作用が良い方向であれば健康に、万一良くない方向であれば病気になる可能性があります。今回は、温泉地へ到着後、安心、安全に入浴していただくためのコツを紹介します。今、温泉地に到着した雰囲気で読んで頂けるとイメージしやすいと思います。 また、入浴に際して健康上の不安がある方(高齢の方、持病のある方)は、かかりつけ医に相談してから出かけると安心です。 疲れたままで入浴しない 疲れたままで入浴しない 温泉地へ到着したら、直ぐにでも入浴したい方が多いのではないかと思います。少し待って、休憩してから入浴しましょう。旅館などに到着すると、お茶と現地のお菓子が用意されているのは、まずは休憩してくださいという宿側の配慮だと思います。疲れているときに体調を崩しやすいことは、入浴に関わらず経験されているのではないでしょうか。まず、休憩。水分補給、お茶菓子などを食べて体調を整えましょう。身体の状態とくに循環系、自律神経系などを整える意味もあって、休憩してからの入浴としてください。 食事前後の入浴は? 食事前後の入浴は? 入浴すると胃腸への血流が減るといわれています。これは皮膚の方に血流が多く行くためです。胃腸が充分働けず、消化が悪くなります。食事前の入浴で長湯をすると、せっかくのご馳走を前にして食欲がないということにもなります。食前は、さっと浴びるくらいがお勧めです。食後は胃腸が働く必要がある時間です。食後1時間位は休憩して、その後入浴することがお勧めです。 飲酒は? 飲酒は? アルコールの影響で血管が拡張するため血圧が低下する傾向となります。入浴によっても血圧が低下することがあり(お湯の温度、環境によっては血圧が上昇することもあります)、飲酒後の入浴は注意が必要です。気分不良、転倒、溺れなどがおきやすくなります。温泉旅行ではお酒の楽しみがあると思いますが、深酒せず、入浴は醒めてからとしてください。 ひとり入浴はさける、あるいは声かけしておく ひとり入浴はさける、あるいは声かけしておく (早朝、深夜は特に要注意です) 特に高齢の方、持病のある方は注意が必要です。入浴中、気分不良などの入浴事故が万一生じても、すぐに対処できるよう、複数の人と入浴しましょう。早朝、深夜は血液が濃縮されやすく、病気の発症が多い時間帯であり、入浴事故が生じても人手もなく、救助されにくいので避けておきましょう。また、声かけをしておくことも重要で、そして頼まれたら気を配ってください。温泉療養~温泉に行って健康づくりをしよう~KKC近畿健康管理センター ウエルネスひこね健診クリニック所長医療統括本部指導医 西村 明芳 「健康づくりアドバイザー」「温泉療法医」の資格を持つドクター西村明芳が、日本人にとって親しみのある”温泉”についてシリーズでご説明します。身近な情報から奥深い知識まで盛りだくさんの内容です。4 KKCヘルスネットワーク No.84(2013. 9) 

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