健康モーニング 84
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よりNo.24愛をこめて愛をこめて愛をこめて愛をこめて愛をこめて愛をこめて質発生源のゴビ砂漠自体の汚染、さらに冬場の気象条件などが高濃度の汚染を招いたようである。 わが国では環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として1年平均値15μg/m3以下かつ1日平均値35μg/m3以下と定めている。 各自治体では住民に対し注意喚起する基準として1日平均のPM2.5濃度が70μg/m3(μは100万分の1)で、環境基準値(35μg/m3)の2倍とした。この値を超えると必要でない限り外出は自粛。野外での激しい長時間の運動を避ける。肺や心臓に病気のある人や高齢者、子どもは慎重に行動する。などを広報することになっている。 日本で発生しているPM2.5は大気汚染防止法に基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制や自動車排出ガス規制などにより、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減少傾向にあるようである。 ところでこのPM2.5は他からは発生しないのであろうか。じつはタバコの煙も典型的なPM2.5のようである。禁煙推進学術ネットワークによると、福岡市の喫煙可能な喫茶店での測定結果は常に300μg/m3を超え、平均371μg/m3であった。横浜市のカフェの喫煙席も200~700μg/m3だった。日本の1日平均の環境基準である35μg/m3を大きく上回り、中国の屋外と同様の濃度を記録した。 産業医大グループの測定では約9平方メートルの喫煙室内で10~15人が喫煙し約7分間の測定中、PM2・5濃度の最高値は1550μg/m3、最低値は625μg/m3であった。この喫煙室のドアをはさんで飲料の自動販売機が設置され、そこの最高値は50μg/m3超であった。喫煙室内に比べればかなり低いが、感受性の高い人の呼吸器に症状が現れるレベルで、明らかに受動喫煙の状態だ。 こちらの方がはるかに身近な危険ではないだろうか。もっと禁煙意識を持ち公共施設や飲食店での全面禁煙の行い受動喫煙による被害を食い止めるべきだと考える。そのためには職場や学校での禁煙指導が必要となってくる。 昨年初め北京が霧に包まれ喘息様症状が多発していると報道され問題となった。特に在北京アメリカ大使館が独自に測定したPM2.5の濃度が信じられない値であった為(1月中旬900μg/m3、2月上旬1593μg/m3)、又その霧が偏西風に乗って日本にくると報道されいっそう騒ぎを大きくした。きっかけは中国環境保護部がある国の大使館が北京の大気汚染度を測定し発表しているのは、中国の法律に違反しており、また内政干渉に当たると発表した為である。健診で訪れた中国在住の受診者の方に聞いても、北京はもちろん上海でも霧にかすんでいるようである。 PM2.5とは、大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質SPM(浮遊粒子状物質のうち10μm以下の粒子)よりも小さな粒子のことである。PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が心配されている。発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等の人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもある。中国では開発、建設などが規制もなく野放しとされていたため粗悪な燃料の使用や自動車の急激な増加と排気ガス規制がなかったこと、粒子状物PM2.5騒動はどこへKKCウエルネスなんば健診クリニック所長医師 瀧  俊 彦【出典】受動喫煙ファクトシート 2 敷地内完全禁煙が必要な理由(日本禁煙学会Hp)【出典】微小粒子状物質(PM2.5)に関する専門家会合報告 (平成25年2月)PM2.5日本の様々な飲食サービス業店内(車内)のPM2.5濃度7 KKCヘルスネットワーク No.84(2013. 9) 

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