健康モーニング No.85
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ズム)を崩さず、できるだけ規則正しく生活することです。これは安眠のためばかりでなく、「元気に機嫌よく生きる」ためなのです。週末や休日も含め、毎朝できるだけ決まった時間に起きて太陽の明るい光を浴び、きちんと朝食を摂る、夜は眠る2~3時間前までに夕食を済ませ、午前0時になる前には床に就く、これが快適な睡眠につながります。適当な睡眠時間は人それぞれで個人差があり、8時間睡眠にこだわることはありません。眠気がなく、気力の充実した状態で仕事をこなせているときの睡眠時間、それがあなたの理想的な睡眠時間です。 交替制など変則勤務に就く人は規則正しい生活が難しいですが、夜勤中は職場の照明を明るくしておくと眠気が減り、仕事の効率が上がりますし、夜勤明けの帰宅時には、サングラスなどで強い日光を避けると,帰宅後に入眠しやすくなります。 夜にパソコンやスマートフォンを扱うと、それらの光は眠りを妨げます。発光機器の操作は就寝30分前には終えましょう。覚醒刺激となる波長460nmのブルーライトを含むLEDも、不眠を助長します。2012年にアメリカ医師会がこれを踏まえて、「現代は光公害の時代に突入した」との警告を声明したくらいです。 また入浴は就寝30分から1時間前頃までに済ませ、夕食後はタバコやカフェイン入りのコーヒー、お茶などは控えましょう。これらは寝付きを悪くし、眠りの質を悪くします。睡眠薬代わりの寝酒は、夜中の眠りを却って浅くしますので禁物です。夕方から夜にはストレッチ体操などの適度な運動を習慣付けると寝付きが良くなります。ぬるめのお風呂にゆったりつかり、軽い読書や音楽、快いアロマの香りでリラックスするのも良いでしょう。 これらを心がけてなお不眠が続くなら、不眠は体や心の病気の兆しかも知れません。「よく激しい不規則ないびきをかく」、「息がしばしば止まる」、とか「寝返りや体動が激しい」などと家人に言われるようなら、SASなどの病気の恐れもあります。脚がむずむずしてじっとしておれないような不快感でなかなか眠れない「むずむず脚症候群」の人も、10~20人に1人はいるといわれます。 夜中によく排尿に起きる、朝起きたときに寝床が湿っている、頭が重い、疲れた感じがする、昼間眠くなったり居眠りしたり、仕事中、集中力がなくなることも、…などがあれば、医師にご相談ください。医師が処方する睡眠薬は安全性が高く、大抵は快適な睡眠が得られます。SASには呼吸を楽にする装具がありますし、むずむず脚に効く薬も開発されています。不眠を我慢し続けることはありません。 なお、安眠のためには寝具選びも大切です。自然な立ち姿のまま仰向けに横になった形が理想の寝姿です。腰や背中、首などの体の彎曲に馴染んで、理想の寝姿を保てるようなマットレスや敷布団を選びましょう。枕も大切です。仰向けに横たわった状態で顎が心持ち下った形となるような枕を選びます。なるべくマットレスや敷布団と、それに合う枕を売り場で試してみて、セットで購入するのがよいでしょう。掛け布団は、軽くて保温性や汗の吸湿・発散性に優れたもの、シーツや枕、掛け布団などのカバーは肌触りが良く、やはり汗の吸湿・発散性に優れたものがお勧めです。 眠りやすい寝室の環境も考えましょう。事情が許せば寝室は睡眠以外には使わず、温度と湿度を調節して、暗さと静かさを保てるよう照明器具やカーテン、窓などを工夫してください。特に夜勤明けに快く眠るにはこれが大切です。 おわり13 KKCヘルスネットワーク No.85(2014. 1) 

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