
2026.07.22

「風邪は治ったはずなのに、咳だけが何週間も続いている」
「夜中や明け方に咳が出て、目が覚めてしまう」
そんな症状にお悩みの方はいませんか?
「ただの風邪の名残りだろう」
「そのうち治るだろう」と放置したり、自己判断で市販の咳止め薬を飲み続けたりしていませんか?
もしかするとその症状は「咳喘息(せきぜんそく)」かもしれません。
咳は持続する期間から3つに分類されます。
3週間未満を急性咳嗽、3~8週間を遷延性咳嗽、8週間以上続くものは慢性咳嗽と呼びます。急性咳嗽の原因の多くは感冒を含む気道感染症で、ウイルス性の普通感冒の頻度が最も高いとされています。3週間以上続く咳(遷延性咳嗽や慢性咳嗽)は感染症でないことが多く、近年の報告では咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群が3大原因となっています。他に気管支喘息、肺気腫、逆流性食道炎、薬の副作用などがあり、肺癌、結核、間質性肺炎などが隠れていることもあります。

今回は、日本の慢性咳嗽の3割以上を占める「咳喘息(せきぜんそく)」について、特徴や対策をご紹介します。
咳喘息(せきぜんそく)は、咳だけが主症状として長引く気道の病気です。一般的な風邪薬や咳止めが効きにくいのが特徴で、「気管支喘息の前段階(亜型)」とされています。
気管支喘息との違いは、「ゼーゼー、ヒューヒュー」と音がする喘鳴や強い息苦しさを伴わず、痰もほとんど出ない点です。しかし本質的な病態(気道の慢性炎症と過敏性の亢進)は共通しており、適切な治療をせずに咳喘息を放置すると、約3割が数年以内に気管支喘息へ移行すると報告されています。
「咳だけならそのうち治るだろう」と放置するのは禁物です。
咳喘息には、以下のような特徴があります。




ったときの体温の変化などで咳が出るもし当てはまる項目があれば、一度呼吸器内科など医療機関への受診をおすすめします。

医療機関での適切な治療と並行して、日常生活で気道への刺激を減らすことも回復への近道です。
今日からできるポイントをいくつかご紹介します。

長引く咳は、体力の消耗や集中力の低下を招き、肋骨の疲労骨折や尿漏れを引き起こすことがあります。また夜間の咳は睡眠の質を悪化させ、日中のパフォーマンス低下、抑うつや不安症状、さらに免疫力の低下につながってしまいます。
当センターでは、健康診断による疾病の早期発見はもちろんのこと、皆様が日頃感じている「受診するほどではないかもしれない不調」にも目を向けていただきたいと考えています。
今回は咳喘息(せきぜんそく)についてお話しましたが、慢性咳嗽の中には、頻度は多くないものの、肺癌や肺結核、間質性肺炎などの重篤な病気もあります。その場合は胸部レントゲンなどの画像検査が必要です。
長引く咳にお悩みの方は、「ただの咳だから」と我慢せず、ぜひ呼吸器内科などの専門医、あるいはかかりつけ医にご相談ください。皆様が日々健やかに過ごせるよう、ご自身の体を労わる一歩を踏み出しましょう。
【参考】
日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版」、
日本内科学会雑誌第114巻第3号 慢性咳嗽診療における新展開
日本内科学会雑誌第105巻第9号 慢性咳嗽の病態,鑑別診断と治療―咳喘息を中心に
慢性咳嗽の原因疾患と治療法の最新知見
疫学|慢性咳嗽 Library
日本咳嗽学会|咳について|臨床医の方
慢性咳嗽/喘息 - 独立行政法人国立病院機構 南京都病院
慢性咳嗽について