I.一般検査

1) BMI*算定(図表J1-8-1

*BMI(Body Mass Index)=体重kg /身長m2
身体計測の受診者数:675,466人(男性448,435人、女性227,031人)
25.0以上の有所見率:24.0%(男性28.1%、女性15.8%)
18.4以下の有所見率:8.4 %(男性4.9%、女性15.2%)

 BMIは25以上と18.4以下を「有所見」としています。25以上の有所見率は前年度より1.1%(男女各0.9%、0.6%上昇しており、多くの肥満者が受診している特定健康診査(いわゆるメタボ健診)の効果が見られません。平成23年度の特定健康診査における保健指導の全国平均実施率は13.1%とまだまだ低いので、その効果が現れにくいのだと考えられます。まず受診率を高める努力が必要でしょう。
 有所見率の年齢的推移は、男性では40歳台後半を頂点とする山形を呈します。平均値も(図表J1-6-1)に示すように、同年齢層で24.0%と最も高くなっていて、働き盛りの中年男性の栄養の取りすぎと、運動不足を示唆しています。これに対し女性の有所見率と平均値は、最も低い20歳台以降、年齢とともに漸増しています。
 一方、BMIが18.4以下の有所見率は、男性では若年層から中年層にかけては漸減し、それ以後高年齢層に向けて微増しますが、女性では20歳台半の23.1%を頂点として、高年齢層に向けて緩やかに減少する山形を呈しています。若い女性の「やせ願望」を示唆する所見です。 過度のダイエットは虚弱な赤ん坊を出産したり、中年以降に骨粗鬆症を起こす恐れもあり、産業保健職による効果的な栄養指導が課題だと考えられます。

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