I.一般検査

5) 血圧測定(J1-8-6

受診者数:677,422人(男性448,477人、女性228,945人)
有所見者(収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の人、および健診時正常血圧者も含む降圧剤服用中の人):117,932人(男性91,609人、女性26,323人)
有所見率:17.4%(男性20.4%、女性11.5%)

 各年齢層とも男性が女性より高率で、男女とも年齢層が高くなるにつれ有所見率が上昇し、特に男性では50歳台前半に30%を、50歳台後半に40%を、60歳台後半には50%をそれぞれ超えます。男女差は10歳台の3.8%から40歳台前半には9.4%となり、50歳台前半には15.1%、50歳台後半の16.3%をピークに減少し70歳代では受診数は少ないが男女差が2.7まで低下します。就労男性の身体的・精神的ストレスが一般に女性より大きく、加えて肥満者や喫煙者の割合も大きいことが影響しているのでしょう。
 血圧の平均値(図表J1-6-3(収縮期血圧)図表J1-6-4(拡張期血圧))は男女の最大、最小血圧とも年齢とともに上昇し、男女とも60歳台以降に最低血圧がやや下降するものの、総じてBMIや腹囲の年齢的推移と似た傾向を示しています。
 年齢とともに血圧が上昇するのは或る程度は加齢現象ですが、不適切な生活習慣がそれ以上に血圧を押し上げていると思える人は非常に多く、これが高齢期での心血管病の発症を助長していると考えられます。職域中年男性に対する保健指導をさらに推進する必要があるでしょう。

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