II.血液検査項目(機能別)について

7) 尿酸検査(図表J1-9-7

受診者数:341,282人(男性246,955人、女性94,327人)
有所見率:4.5%(男性6.2%、女性0.3%)

 男女差が非常に大きい検査です。高尿酸有所見者の大多数は男性で、その有所見率の年齢的推移は40歳台後半の7.3%を頂点とする山型を示します。高尿酸血症は遺伝的素因に加えて栄養過多と飲酒が主な原因で、心身のストレスがこれを助長します。痛風を起こすことがあり、循環器疾患の危険因子でもありますので、有所見者は日常の節制が大切です。女性の有所見率は10歳台から30歳台前半までは0.1%以下であり、それ以降にわずかに上昇するものの、男性に比べると病的な意味ははるかに小さいといえます。高年齢層でやや上昇するのは、腎機能低下による尿酸排泄の減少のせいでしょう。
 尿酸値の平均値(図表J1-7-12)は、男性では全年齢階層で5.8〜6.1mg/dLと年齢的な変動はほとんどありません。これに対し女性では、50歳台以降に上昇する傾向を認めますが、これは上述したように高年齢層に生じやすい腎機能低下を反映していると考えられます。男性でこのような傾向を認めませんが、高年齢では食べ過ぎ・飲み過ぎが減って、これによる尿酸値低下の効果が腎機能低下による尿酸値上昇の影響を相殺したせいと考えられます。

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