I.一般検査

14) 乳がん検診(図表J1-8-15

受診者数:15,805人(うち、超音波検査8,650人、マンモグラフィ7,155人)
有所見率(要精密検査率) :マンモグラフィ7.6%、超音波検査:6.3%

 マンモグラフィ検査受診者の大多数は40歳以上で、35歳台後半の受診者が最も多い超音波検査より、高年齢層の受診が多くなっています。乳腺が退縮する高年齢層では、マンモグラフィの方が乳がんを発見しやすく、乳腺が成熟した若年層では、超音波検査の方が乳腺と乳がんとを区別しやすいからです。
 超音波検査所見の内訳(項目別所見内訳・図表6-8)は、嚢胞の出現率が6.1%と最も多く、次いで腫瘤、繊維線種、乳腺症 という順です。一方マンモグラフィでは石灰化が最多の10.7%で、腫瘤は1.2%です。石灰化や腫瘤の一部にがんが含まれているはずですが、日本人の乳がん罹患率はほぼ0.1%ですので、これらの所見は必ずしもがんを示すわけではありません。しかしもしそれらの所見があれば念のため精密検査を受けて、がんでないことを確かめることが大切です。
 乳がん検診の受診率は先進諸外国に比べてまだまだ低率です。乳がんは女性のがんの中で最も多く、今後も増えると予想されています。早く発見すれば完治が期待できます。気付かないまま手遅れになることのないよう、受診率を高めるための一層の啓発が望まれます。

前のページに戻る 次へ