I.一般検査

6) 他覚所見(医師が認めた身体所見)(図表J1-8-7

受診者数:657,136人(男性432,322人、女性224,814人)
出現率:1.1%(男性1.0%、女性1.3%)

 他覚所見(項目別所見内訳・図表6-1)は医師が診察の際に認めた異常所見で、聴診では心雑音・不整脈・異常呼吸音など、視診では皮膚や粘膜の異常・舌苔・頚部リンパ節腫大・甲状腺腫・脊柱彎曲・胸郭や関節の変形・下肢静脈瘤・アキレス腱肥厚などがあります。「放置可」、「要観察」、「要医療」は、それぞれ「所見を認めるものの、特に処置を必要としない」、「所見を認め、有症状時や悪化時には医療機関への受診が必要」、「所見を認め、速やかな医療機関で精検や治療などの医師指導が必要」を意味します。
 出現率は年齢とともに少し増加しますが、全体として低く、最も高い70歳台以上の男性でも3.3%に過ぎません。診察では分からない病気が多いのですから当然といえます。診察は他覚所見を見つけるためだけではなく、医師が受診者との対話を通じて、受診者の総合的な健康状態と就労状況を把握し、同時に普段接することが少ない受診者との相互理解を深めるための大切な機会です。このため企業や組織では事情が許す限り、自前の産業医による診察が望ましいといえます。

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