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II.血液検査項目(機能別)について

3) 赤血球系検査(図表J1-9-3):赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値

受診者数:546,698人(男性355,605人、女性191,093人)
貧血有所見率:1.9%(男性0.6%、女性4.4%)

 有所見には赤血球減少(貧血)と赤血球増多を含みますが、後者は極少数です。有所見率は女性が男性より明らかに高率です。男性では50歳台前半以降、わずかに上昇するのみですが、女性では40歳台後半の8.4%を頂点とする山型を示し、60歳台後半以後に再び少し上昇します。赤血球数と血色素量の平均値(図表J1-7-3(赤血球)図表J1-7-4(血色素))は、男性で年齢とともに少しずつ低下するのに対し、女性では40歳台後半まで低下した後、50歳台で多少増加し、60歳台以後、再び減少に転じます。中年女性には過多月経や不正出血を起こす子宮筋腫が多いせいで貧血の人が増え、高年齢層では慢性炎症性疾患や加齢による骨髄造血機能の低下で貧血が生じやすいことを示しています。
 なお、少数の赤血球増多のほとんどは喫煙による反応性のもので、病的な真性赤血球増多症は極めて稀です。しかし喫煙による赤血球増多でも、血液の粘稠度(粘り気)が増して脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めますので注意が必要です。

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