II.血液検査項目(機能別)について

11) ペプシノーゲン検査(図表J1-9-11):PGI、PGII、PGI/PGII

受診者数:28,463人(男性20,469人、女性7,994人)
有所見率:13.1%(男性11.6%、女性17.1%)

 受診対象者数が、昨年の2倍を越えました。有所見率は前年度より6.4%(男性5.5%、女性8.2%)も高くなりました。要因はABC検診の普及によるもので、この検査とヘリコバクター・ピロリ菌の検査を併用し、リスクが高いと評価した人に胃内視鏡検査などの精密検査を行います。要医療率は男性の方が総じて女性より多少高率ですが、有所見率は逆に女性の方が明らかに高率です。この検査値は胃粘膜の萎縮が進むほど低くなり、萎縮が進むと胃がんの発生が増えることから、異常低値を示す場合は胃がんのリスクが比較的高いとされます。胃の粘膜は加齢とともに萎縮が進むので、有所見率も年齢とともに高くなります。 女性が男性より有所見率が高いという集計結果は、胃がんの発生頻度が女性より男性で高いという疫学的事実に反することになり、これについてはさらに検討する必要があると考えています。

*PGTが30.0ng/ml未満でPGT/Uが2.0以下の場合を「要医療」とし、PGTが30.0ng/ml未満でPGT/Uが2.1〜3.0、或いはPGTが30.1〜70.0ng/mlでP/GT/Uが3.0以下の場合を「要精密検査」としています。なお「要医療」はヘリコバクター・ピロリ菌に感染している恐れが高い状態で、感染が確認されれば除菌治療を要するという意味です。

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