II.血液検査項目(機能別)について

15) 尿蛋白検査(図表J1-9-15

受診者数:672,304人(男性447,730人、女性224,574人)
有所見率:2.7%(男性3.1%、女性1.8%)

 有所見率はすべての年代で男性が女性を上回り、腎・尿路系疾患の発生率に男女差があることを示しています。女性では尿路感染症が男性より起きやすく、外陰部分泌液による尿汚染も生じやすいことが有所見率を高めている可能性があります。若年層の尿蛋白陽性例は、その多くが無害な起立性ないし運動性蛋白尿だと考えられます。10歳台から40歳台にかけて有所見率は低率で推移しますが、男子では30歳台前半で、女子では60歳台後半から上昇に転じ、高年齢層ほど高くなります。特に70歳台以上では腎・尿路系疾患の増加を反映して男女とも上昇が著しく、CKD(慢性腎臓病)の多発が示唆されます。

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