II.血液検査項目(機能別)について

17) 尿潜血反応(図表J1-9-17

受診者:514,255人(男性361,076人、女性153,179人)
有所見率:7.5%(男性3.7%、女性16.5%)

 尿蛋白検査とは逆に、すべての年齢層で女性の有所見率(潜血陽性率)は男性より高く、4倍以上もの大差で男性を上回ります。男性では加齢とともに陽性率が漸次上昇し、その推移は尿蛋白検査や腎機能検査の要精検率に近いことから、潜血陽性の多くは尿路系疾患を示唆します。女性では尿蛋白検査と腎機能検査の有所見率がほぼ全年齢層を通じて男性を下回るにかかわらず、潜血反応は高い陽性率で推移しています。従って少なくとも男性の陽性率を超える分は、性器由来の血液混入による偶発所見と考えられます。特に月経期間とその前後数日間は血液が尿に混入しやすいので、潜血陽性の女性にはその期間を外して、簡便な試験紙法で再検することが勧められます。なお、採尿後3時間以上経ってから検査すると、潜血反応が陰性化することが多いので注意が必要です。

了      
文責 医療統括本部 阪上皖庸

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